いくら歩いても全然大丈夫!
初めてオーダーのご注文をいただいたお客さまは、今まで履いていた靴との
履き心地の【差】に驚かれます。
オーダーで靴を作るって、とても勇気のいることですよね。
市販の靴を買うよりもお値段も高いし、出来上がるまでに時間もかかる。革の色やヒールの高さなど、細かく時間をかけて考える価値は本当にあるのだろうかと心配になられる方がほとんどです。
わたし自身もその気持ちは同じで、自分だけの一足を作るワクワクと履いている姿を想像して、どこに出かけようと考えるのは楽しいのですが・・・。
せっかく作って痛くなったらどうしよう。この値段を払って失敗しないだろうかという不安な気持ちもものすごくわかります!
だから、出来上がってきた靴を納品する際、お客さまが出来上がった靴に足を入れる瞬間までドキドキで仕方がないのです。

足入れした瞬間の「あっ!!」ってなるお客さまの表情と目と目が合った瞬間「よかった〜」をお互いに感じ、ホッとするのがオーダー品の楽しさでもあります。
先日もうれしいご報告LINEをいただきました。この方は、長年履いていた靴メーカー(外反母趾用の矯正シューズのような重厚感のあるコンフォートシューズ)がなくなってしまいお困りでした。
脊柱管狭窄症の手術後、通常の生活をしていても足の違和感がとれず、趣味の卓球をやると外反母趾が痛いし、踏ん張りもきかないし、【億劫】になってしまうのが悲しい。
そんな相談がきっかけで、インソールでの対応や他社の靴を紹介し対応してきました。(当店ではオーダー依頼はご希望がある方のみ受け付けており、靴の相談が合った場合は、お買い求めしやすいメーカーを紹介しております。)
ある時、ふとわたしが履いている靴に気づいてくださり、オーダーで作った靴である話をし、思い切って作ってみようかなという話からご依頼いただきました。

この仕事をしていて本当に思いますが、皆さん、本当に靴に悩まれてます。
靴に足を合わせてしまっていますが、本来は足に靴を合わせるべきなのですが、それを叶える靴を市販品の中から選ぶのは至難の業だと思います。
プロのわたしでも5軒以上お店を見て回って、やっと1足あるかどうかなレベル
お客さまのアテンドで市販靴を紹介する時は大変な作業なのです。(靴好きなので楽しいことなのですが、それがお客さま目線で選ばなきゃなので頭フル回転で探します。笑)
市販であればいいけれど、なければ作るしかないわけです。それでも納得した上で作っていただきたいから、ご自身の足をよく知っていただき、市販ぐつの限界とオーダーで出来ること、できないことを理解していただきやっと【作る】段階になれるのです。
だからこそ、出来上がってきた靴は【大切な一足】ですし、なにより愛しさも感じます。いくら履いても全然大丈夫!そう思える一足が1つあるだけで、不安がなくなる。
もちろん靴は値段じゃないですし、オーダーが全てではありません。ただ履き物選びはきちんとやって損のないことですので、妥協しないで靴は履いていきましょう。